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luatexjaアップデートの影響はありません

luatexjaが20250401.0(r74837)にアップデートされましたが, このサイトで公開している各パッケージ は正常に動作しています.

日本産業技術教育学会全国大会講演要旨のLuaLaTeX\text{Lua\LaTeX}パッケージ

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日本産業技術教育学会 の全国大会講演要旨原稿を作成するLuaLaTeX\text{Lua\LaTeX}パッケージを作成しました: こちら のページへ 原稿作成要領では游明朝と游ゴシックが指定されているのですが,うちのMacではFontBookからは見えてもfontspecが見つけることができなかったので,仕方なく原ノ味明朝と原ノ味角ゴシック(欧文はTeX Gyre TermesとHeros)を設定しています. また原稿投稿システムはPDFだけでなくWordのファイルも要求します.私は本パッケージで作ったPDFをInkscapeでアウトライン化したSVGに変換し,それをWord雛形に貼り付けたものを提出しました. お使いになる際は,自己責任でお願いします.

TeX Live 2025\text{\TeX\ Live 2025}が来た!

【2025-03-19】 最新の状況に改訂 TeX Live 2025\text{\TeX\ Live 2025}がリリースされましたが,当初版のLuaHBTeX 1.21.0では積分記号に関する不具合がありました. この不具合は最終的に3月17日にアップデートされたLuaHBTeX 1.22.0(r74669:2025-03-17)で修正されました.  また3月16日にはjlreqのアップデートもありました. このサイトで公開している各パッケージ等の対応は3月16〜19日にかけて完了しました.以下の各ページからどうぞ: 電気学会研究会TeXパッケージ プレゼンテーションスライド作成パッケージ InkscapeでTexTextを用いた数式入力 日本産業技術教育学会九州支部用パッケージ (支部大会要旨集,支部論文集)

XR2206ファンクションジェネレータ

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EXARという半導体メーカがXR2206というファンクションジェネレータICを出していました.先行する類似チップにはICL8038やMAX038というのがありました. 1000円前後でネット通販されているXR2206ファンクションジェネレータのキットがあり,ちょっと気になっていましたので私費で買ってみました(実際にはポイントを使っただけだけど).XR2206は当然EXARのオリジナルではなく, HLF という会社のものでした(本物のセカンドソースなのかしら?) 早速組み立てて,オシロで波形を観測してみました. これ,どう見ても正弦波ではなく,鈍った三角波にしか見えませんよね.この波形では正弦波発振器として失格です.FFTの結果も第3高調波が–26dBc程度,THDに換算すると5%程度になります. 昔秋月電子が出していた XR2206ファンクションジェネレータキット には,正弦波波形調整のための半固定抵抗が付いていましたが,このキットにはそんなものは付いていません. そこで(R4を外して)基板からリード線を引っ張り出し,外部のブレッドボードに置いた波形調整用半固定抵抗に接続してみました.13番・14番ピン(ここにR4が接続されている)に500Ω,15番・16番ピン(基板上ではオープンになっている)に30kΩ(可変端子はGNDに接続)です.詳しくはXR2206のデータシート(Fig.12)か秋月キットのマニュアル回路図をご参照ください. オシロのFFT画面を見ながら高調波が最も小さくなるように調整してみました.調整後の信号波形とFFT結果です. これで高調波は–44dBc以下(THD換算で0.85%程度)ですが,波形をよく見るとまだ非対称性が残っています.回路の歪率を測るような信号源にはできませんけど,入門レベルの増幅回路(例えばトランジスタ1石アンプとか...

【2025-03-24 Update】TeXworks 0.6.10 macos arm64版が起動できない:ターミナルからおまじないを一つ

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【2025-03-24】対処方法が判明したので,記述を修正 TeXworks-macos11-0.6.10-arm64 fails to start. The workaround is to execute " codesign --force --deep --sign - /Applications/TeXworks.app " from Termnial as mentioned by 20100mo in that issue's thread. 先日リリースされた TeXworks 0.6.10 では,macos用にarm64版も登場しました. ですが,これを開こうとすると図1のように「"TeXworks.app"は壊れているため開けません。」とエラーダイアログが出て,起動することができません.TeXworksのgithubにもこの問題が issueとして報告 されていますが,先日対処法がそこに記載されました. 図1 arm64版を起動するとこうなる 一度「キャンセル」し,ターミナルから codesign --force --deep --sign - /Applications/TeXworks.app   を実行します. その後TeXworksのアイコンをダブルクリックすると,図2のように「"TeXworks.app"は開いていません」というダイアログが出ますので(Sequoiaではコンテクストメニューからでもこうなる),[完了]をクリックしてシステム環境設定の「プライバシーとセキュリティ」を開き,図3の[このまま開く]をクリックします. 図2 おまじないの後にTeXworksを開いたところ.ここでは[完了]をクリック 図3 システム環境設定 > プライバシーとセキュリティ.[このまま開く]をクリック 図4のダイアログが出たら[このまま開く]をクリックして,図5のダイアログで管理者アカウント名とパスワ...

授業スライドの配布版PDF作成:qpdf

授業で提示するスライドにはオーバーレイやら著作権にかかる利用条件の関係で渡せないページがあったりします.そのようなスライド資料を配布用に編集するのにこれまではAcrobat Proの永続版を使っていましたが,いよいよ今年の5月でEoL (End of Life) を迎えます.Macなんだからプレビューでできるでしょとか,サブスクリプションに切り替えれば良いぢゃないかというご叱責はもっともですが,Acrobatのサブスクリプションは永続版に比べて凄く割高ですし,(宿所や自宅がLinuxなので)Linux上でも同じ作業ができるようにしたいとというのがこの記事の趣旨です. Linux上でPDFのページを削除したり順序を入れ替えたりするツールにPDF Arrangerやpdftkなどがありますが,この2つは編集後にbookmark(しおり)がなくなってしまいます.pdftkの場合は,あらかじめ書き出しておいたメタ情報を編集しておき,ページ編集後に書き戻す方法があるようですが,メタ情報の編集が面倒です.PDF Arrangerの場合は,hyperrefで埋め込んだリンクもなくなります. そこでこれまで触ったことのないqpdfを試してみたところ,bookmarkが保存されていることがわかりました(ページ順序を入れ替えた場合は試していませんが).これは使えそうですのでMacにHomebrewを導入してqpdfをインストール,マニュアルを見ながらどうすればよいかちょっと試行錯誤してみました. qpdf infile.pdf --pages . 1-z,x〇〇 -- --encrypt --user-pasword=〇〇 --owner-password=〇〇 --bits=256 --modify=none --extract=n --print=full/none/low -- --linearize outfile.pdf 上記は,印刷のみ{高解像度,不可,低解像度}の設定ができるようにし,その他の項目はアクセシビリティを除いて全て不可としています.「x〇〇」が削除するページ範囲です(詳細は qpdfのドキュメント を参照下さい).PDFを開く際のパスワードが不要なら,「 --user-pasword=〇〇 」を削除します. これをqpdf.texという名前でTeXworksの...

実験用低周波発振器の予備検討

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2025-03-04:記述を一部修正 出先でトランジスタ増幅回路の実習をさせようと思ったら,低周波発振器がなくて往生しました.ネット上ではXR2206のファンクションジェネレータキットが1000円前後で売られているようですが, 買って作った人のblogに掲載された波形写真とかを見てみると何かおかしい感じがします.オシロで波形を見て「これは正弦波ではない」とわかるようなのはさすがに使うことができません.そこで手軽に持ち運びできる小型の低周波発振回路を検討してみました. 4〜5台は作らないといけないので,簡単で装置間の個体差がないことが望ましいです.およそ次の仕様が満たせれば良いものとします: 周波数:1000Hz / 400Hzの2波切り替え(出先の実習ではf特を測る時間余裕がないため) 出力レベル:10mVpp〜4Vpp程度に可変可能 出力インピーダンス:50Ω 歪み率:1%以下 スプリアス:全域で最大出力に対し–40dBc以下 この程度であれば,PICマイコンから正弦波データを出力してDA変換すれば良さそうです.部品棚の肥やしになっているPIC16F84Aが10個はありますので,朽ち果てさせずに使うことにします. 回路図です.20MHz水晶振動子でクロックを作ります.計測用の発振回路ですので,INTOSCを持つPICマイコンを使用する場合でも周波数の精度や安定性を考えるとクロック源は水晶発振回路の方が望ましいと考えます.PORTBから8bitの正弦波データを出力してR-2R DACでアナログ信号に戻し,遮断周波数2kHzのLPFに通します.R-2RにはBOURNSの集合抵抗4310R-R2R-103LF(これは7〜8年前に買ったもの)を用いましたが,4610X-R2R-103LFの方が今は安く買えるみたいです(Digi-KeyやMouser等にある).予備検討では実装していませんが,LPFの後段にレベル調整とバッファを配置する予定です.オペアンプは入出力rail-to-railのものを使用します.LPFの遮断周波数を2kHzと高めに設定しているのは,1kHzと400Hzで出力レベルになるべく差を持たせないためです.正弦波データは64倍のオーバーサンプリングとするので,この遮断周波数でも問題ありません.またLPFの5.1kΩは,設計値15kΩに対してDAC出力インピ...