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Inkscapeで実体配線図

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実体配線図の作成に Fritzing を使われている人も多いと思います.むしろ,Fritzing一択のような雰囲気があります.ですが,私自身はFritzing以前から EazyDraw で実体配線図を作成していました(例えば, BD4066 の 実体配線図 ).ドローツールを Inkscape に移行してからは,実体配線図の作成もInkscapeに移行しました. Fritzingが主流の現在需要はほとんどないと思いますが,EIC-801(新タイプのE-CALL 165401020E ),EIC-102,秋月電子B基板の2倍スケールのInkscapeファイルと5%級1/4Wカーボン抵抗と1%級1/4W金皮抵抗(それぞれE24系列1Ω〜9.1MΩ)の2倍スケールInkscapeファイルを 公開 します.提供するInkscapeファイルのライセンスは CC BY-NC-SA 4.0 または文化庁 自由利用マーク「学校教育OK」 です.作成した実体配線図(必要な箇所のみをエクスポートしたPDF/PNG/JPEGファイル)については,非営利目的であれば自由に使用していただいて構いません(BYとSAは適用しません). サンプルを以下に示します: EIC801の右側に配置しているマイコンボードは 秋月電子のRP2040ボード です(これも2倍スケール). ブレッドボードはロックしたレイヤー0に配置してあり,部品はレイヤー1の上で配置します.抵抗は自分で作成せずとも,抵抗のInkscapeファイルから該当のものをコピーしてペーストすればOKです.グリッドはインチピッチで設定してあり,各部品はインチピッチの見えない長方形で囲われています.400%程度にズームすれば正確に配置可能です(直接図形左上の座標値をインチピッチで指定しても良い). レイヤー1にはブレッドボードよりわずかに大きいインチピッチの見えない長方形を置いていますので,部品配置の終わったブレッドボードはそれを囲むように範囲選択をしてエクスポートします.エクスポートする際は「選択中のもののみエクスポート」のチェックを外せばレイヤー0のブレッドボードそのものもエクスポート対象となります. ミノムシクリップは実際の大きさを反映させていません.これは端子として使用している両端ロングピンヘッダのどれにどのミノムシクリップコードを接続

秋月電子のRP2040マイコンボードでCircuitPython

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秋月電子通商 はオリジナルのマイコンボードを各種製造販売していますが, Raspberry PiのRP2040を用いたマイコンボード (以下,AE-RP2040)もあります.本家の Raspberry Pi Pico (以下,Pico)はC/C++,MicroPythonまたは CircuitPython でプログラミングできるのですが,AE-RP2040がCircuitPythonで動かせるかどうかは情報があまりなかったので,自分で試してみることにしました. CircuitPythonのPicoのページ から.UF2ファイルをダウンロードします. AE-RP2040のBOOTボタンを押し,そのままの状態でPCと接続します.無事接続できるとPC上に“RPI-RP2”というドライブが出現します.RPI-RP2がPCに認識されたらBOOTボタンから手を離してOKです. ダウンロードした.UF2ファイル(adafruit-circuitpython-raspberry_pi_pico-〇〇-△.□.×.uf2)をRPI-RP2にドラッグ&ドロップします:本記事執筆時点のCircuitPythonは9.0.4 しばらくしてRPI-RP2が消え“CIRCUITPY”というドライブが出現したら,CircuitPythonのインストールは成功です. もしうまくインストールができない場合や,使用中のCIRCUITPYドライブの挙動がおかしくインストールし直しをしたい場合は, こちらのページ にある“flush_nuke.uf2”をダウンロードしてAE-RP2040に書き込み(BOOTボタンを押しながらPCに接続して,RPI-RP2ドライブにDrag&Drop)消去してからCircuitPythonの.uf2ファイルを再インストールします. ThonnyのREPLからboardモジュールのピンを調べてみると次のようになりました: >>> import board >>> dir(board) ['__class__', '__name__', 'A0', 'A1', 'A2', 'A3', 'GP0', 'GP1'

Robo Figure Skating

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  県教委主催の高校生を対象としたプログラミング講座を夏休みに担当させていただいていますが,今年の開催に備えてロボットの回路と基板の設計変更をやっています. プログラミングのお題はオリジナル競技の“ Robo Figure Skating ”.上の写真に示す2輪走行ロボットを使い,フィギュアスケートのような3分間の走行演技をしてください,というものです.リンクの広さは3.6m×2.7m,6畳間と同じです.走行だけでなく,NeoPixelを使った光の演技も可能です. ハードウェアは毎年変更になっていて,マイコンボードは昨年からSeeed XIAO RP2040になり,今年は慣性計測装置(IMU)がSTマイクロのLSM6DS3TR-C(加速度+ジャイロ)に変更になります.上の写真は昨年度のバージョンで,XIAO RP2040 + Bosch BNO055(加速度+ジャイロ+磁気)です. 回路図は↑.モータドライバのTB6612はモータ電源とロジック電源が内部で分離されているのですが,SAMD21/51やRP2040はモータが回転し始めるとリセット(おそらくブラウンアウトリセット)がかかってしまうというトラブルに遭遇しましたので,フォトカプラで完全絶縁をしています.micro:bitのときはそういうことはなかったのですが... オプションで超音波距離センサ( 3Vで動作できるタイプのHC-SR04 1 )を接続できるようにしてあり,中学校技術の教科書にあるお掃除ロボットの走行も可能です. 基板パターンはこんな感じです↓ IMUを基板中心に置き,それがRFSロボットの車軸中心上に来るようにしています.またXIAO RP2040は中心軸から少し左に寄せていますが,これはNeoPixelが中心軸に来るようにするためです. 1 データシートによるとGPIO方式での動作時はR4とR5がNCになっていてそれがデフォルトなのだけど,秋月電子の写真ではどちらも何某かの抵抗が接続されている.そんな動作モードはないんだけどなぁ...

故郷は地球

古川聡さんに関するNHKのニュース標題「 帰還した古川宇宙飛行士『自分の故郷は地球』宇宙滞在振り返る 」(リンク先のNHKニュースはしばらくしたらアクセスできなくなると思います)を見て想い起こしたのがウルトラマンの「故郷は地球」. ジャミラぢゃないよね?>古川さん 【追記】シルバー仮面の主題歌にもあったよな,「故郷は地球」

マルツ@大学生協

年度末で予算が少し残っていたので,生協に行ってみた.マルツ取扱いの部品等を少し置いているということだったので,どんなものがあるか偵察も兼ねて. 校費カウンターの前に幅1mくらいのコーナーがあって,そこに抵抗,LED,トランジスタ,555(何故かバイポーラとCMOSの両方),ピンソケット,ピンヘッダ,ブレッドボード,ジャンパワイヤ,はんだごて,きっとすぐに刃がなまってしまうであろう安物のニッパーとラジオペンチ(100円ショップなどで売られているものとほぼ同じ)などがあった. 抵抗は種類が少ないがKOAの100本パックで,これは💮.トランジスタはKSA1015とKSA1815の2種類なんだけど,うーーん.ニッパーとラジオペンチは少々高くても一生モノ 1 のHOZAN N-4-125とP-15-125にしておいてほしいかなぁ. としばらく眺めて, ブレッドボード(E-CALL 165401020E)と1.5Vブザー5個を買い求めた.カウンタの人とは 「部品小さいので,取皿のようなのを用意しておくよいいよ」 「植木鉢の皿のようなもの?」 「そうそう,実際に部品屋ではそういうのに入れてレジに持っていくの」 と話を交わしてきた.そのうちに置かれるかしら. 1 うちでは40年以上前に買ったN-5-125を現役で使っている

手書き風フォントで数式(その2)

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手書き風フォントで数式を書くことについて 以前紹介した .当該記事では,YOzkraBN_MとFira Mathを組み合わせた例をあげてみた. TeX Live 2024が公開されてすぐ,新しくCTANに Lato Mathというパッケージ が登録された.Fira Mathとはもちろん異なる字形だが,こちらも手書き風フォント(YOzkraBN_M)と組み合わせてそれらしい数式を書くことができる.何といっても,unicode-math上で使えるシンボルの数がFira Mathの倍以上(Fira Math: 1068 vs Lato Math: 2329)ある.そこまで使うことはないと思うけど(^^; 試しに前回記事のソースを流用して見比べてみた: 積分記号はLato Mathの方が個人的には好きかも.

TeX Live 2024が来た!

TeX Live 2024がリリースされた. 本日(2024/03/14)0900JST過ぎの段階では,山形大のCTANミラーにISOイメージが来ているだけだったので(ネットワークインストールの方は「年号が一致しないよ!」と怒られた),それをダウンロードしてbalena Etcherで8GB USBメモリに焼いてM1 mac miniにインストール.インストール作業そのものは20分程度(ファイルのインストールは12分!)で完了. うちで公開している 各種パッケージ等 (電気学会研究会,日本産業技術教育学会九州支部,esmslide LTj ,Inkscape用Tex Textプリアンブル)と非公開の個人用パッケージは問題なくタイプセットに成功したので,大きな問題はなさそう. さて,あと何台インストールするんだっけかな... 【追記】 Raspberry Pi 400 にもISOイメージからインストールした.こちらはファイルのインストールに42分,全体で1時間くらいだった.昨年,TeXフォーラムで「 fmtutilでのluajittexフォーマット作成エラーについて 」という投稿があったが,TL2024のインストールログを一読したところそのようなエラーは発生していないように見受けられる.バージョンが1.18.0に上がっているから,直ったのかもしれない.