トラッキング現象の模擬実験装置

トラッキング現象はNITEや各地の消防がYouTube等の動画サイトに映像を提供してくれています.確かに提示教材としていいのですが,所詮は画面の向こうの世界です.目の前で起こる体験に勝るものはない,ということで2017年度の卒業論文で学生さんと一緒に開発しました.

本装置では1/4W 2.2kΩの炭素被膜抵抗に商用電源を印加し, 螺旋状に切られた抵抗体の線間で発生するトラッキング現象を用いています.下記の写真が抵抗の取り付け状況とコンセントへの挿し込み状況です.抵抗は,ラジオペンチを使ってリード線を栓刃に1回巻き付けます.ホコリの代用として医療用の脱脂綿を用いています.化繊や動物性(たとえば絹)は特有の不快な燃焼臭があり,NGです.木綿も燃焼臭がありますが,化繊や動物性ほど不快ではありません.



実演の動画です:

 

日本産業技術教育学会第61回全国大会で発表した際のスライド資料はこちらです.手元スイッチは生徒さんに通電してもらうためのギミックです.

部品表はこちら

どこかの建築現場から耐火石膏ボード(壁用)の端材をもらうことができればいいのですが,実機では「彩玉ボード」というソフトセラミックの彫刻板(美術の教材会社で取り扱っているかもしれませんし,ネット通販で買うこともできます.サムホールサイズの12 mm厚です.)を用いました.石膏の彫刻板は「燃える」ので,本装置では使えません.